文籍空閑地ブログ

街に雪が降り積もる――。
それはまるで純粋で汚れを知らない心のように真っ白な雪。
さわると溶けて消えてしまう真っ白な雪。
でもその雪はいつしか降り積もり一面を銀世界へと変えてしまう。
恋人たちは寒いこの時期を一体どう過ごすのだろうか。
寄り添い、二人で聖なる夜を迎えるのだろうか。
一人で生活をしている幸太郎にとっては毎日を生きることに精一杯で、寂しくないと言えば嘘になるがそんなことはどうだって良かった。

それがこんなに苦しくて嬉しくて戸惑うような日々が来るなんて…。

甘く切なく…初めての恋。
幸太郎はこの冬、忘れられない恋をすることになる。

　公式サイト、「story」より引用。

　とりあえず、壁に萌えたくなければパッチをまずあてましょう。
■I.D.処女作「初恋予報。」のバグの内容が酷くてカオスになってる件｜三度の飯よりゲーム好き。

　良く言えば懐かしい、悪く言えば古い感じのするゲーム。
　両親を失った重い過去がありながら、いくらなんでも人間出来すぎてる主人公の初恋物語。
　初恋の過程がもどかしいやらかわいいやらで、なんだかかゆくなってくるゲームでした。……そしてシステムもかゆいところに手が届きませんでした。頼むから音声再生中でもクリック１回で次の文章にいってくれよ……。
　絵が非常に可愛らしく、効果的に使われていて、ヒロインの魅力と合わせて、満足度の高い仕上がりになっていたと思います。システムの不具合、エロシーンの少なさなど不満はありますが、次作に期待が持てる不足不満であったと感じました。なんだかバグで叩かれてますが、頑張って欲しいところです……(´・ω・｀)

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■点数解説、シナリオ・キャラクター
（シナリオ　２８／５０、キャラクター　６／１０）

　シナリオは、キャラクターを選択してシナリオを進め、一定回数キャラクターを選択すると、そのキャラクターのルートに入る仕様。ただ、ちょっと変なのが、なぜか２キャラ分シナリオを進めないと、ルートに入れないという謎仕様。そんな仕様にする必然性全くないと思うのだが……。
　シナリオの中身は大体同じで、仲良くなる過程があって、障害や事件があって、結ばれる、というオーソドックスなストーリー。起伏はそこまで大きくなく、鬱になるような展開まで落ち込むことはない。
　ただ、桃屋 千世子のシナリオだけは、ちょっと苦手な人もいそうな展開だった。具体的に言うと、CGこそないが、他の男とのHシーンがある。個人的にロリっぽいキャラがあまり好きではないので思うところはなかったが、好きな人にはちょっと嫌かも知れない。千世子シナリオ全体としては落ち着くところに落ち着くのですが。
　キャラクターとしては、椎名 雪と二ノ宮 詩乃がとても良かったです。大変萌えます。
　あと、親友の植村　陽斗が良い奴すぎです。どうせなら陽斗視点の、某サブキャラとのシナリオとか欲しかった。

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■点数解説、グラフィック・実用性
（グラフィック　１５／２０、実用性　２／１０）

　グラフィックは、ちょっと古い気もしましたが、質としては結構良いかと。特に通常CGはとても良い感じ。量としては、圧倒的にエロが少ないです。エロが少ないです。大事なことなので２回言いました。もうちょっとあってもいいじゃない……。
　実用性は足りない。ほとんど１ヒロイン１回２回。足りないにもほどがある。数をそろえりゃいいってもんじゃないけども、戦いは数だよ兄貴……

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■点数解説、その他・総合
（その他　０／１０、総合　５１／１００）

　その他については、良いところもあるけどシステムのマイナスで、加点なし。
　総合は５１点で、おすすめ度はＣ。シナリオがつまらないとか萌えないというわけではなかったので、ＣＧが気に入れば十分おすすめできるレベルだと思います。システムがちと残念ですが。
　次は、できればヒロインの数を絞って、中身をいろいろ濃く作ったら、とても良い感じになるのではないでしょうか。
　

（以下、ネタバレな感想）
























　椎名 雪

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　本作のメインヒロインといっていい、良キャラ。
　ＣＧも性格も可愛い。
　しかし……なぜブルマのＣＧがあるのに、ブルマでＨシーンがないんだね！
　わけがわからないよ！
　いや、別にブルマ好きじゃないけどもよ。てっきりあるのかと思ってたのに……。ナイスブルマだったのに……。

　二ノ宮 詩乃

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　雪と双璧。シナリオが良い。
　惹かれる過程が非常にこそばゆい。
　また、主人公が詩乃に、両親はすでに亡くなっていて独りであることを告げたところが、名シーンでした。
　人間ができていて、人に気を遣いすぎる主人公を抱きしめながらのセリフ。
「平気だなんて言わないで下さい……」
「独りが平気だなんて、そんなの……悲しいです……」
「本当に独りが平気な人なんて居ません……」
　良く言った！！
　主人公は、寂しくはあるけど独りでも大丈夫だと思い込んでいた自分が、落涙していることに気づきます。
　馬鹿にみえるぐらいお人好しの主人公の内面に、大きく一歩踏み込んだ名シーンでした。

　桃屋 千世子

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　アホの子。ある種のサークルクラッシャー。
　性教育って大事だね、っていうシナリオ。妹は気づいていそうだったんだけど……止めなかったのか？
　子供ができるかも知れないのもそうだけど、病気とかもらったら地獄の鬱シナリオに突入ですよ？
　そのうえ妹も危険な目にあわせてるし……これで陽斗とかにも手を出してたら、世にもまれに見る大型地雷として「初恋予報。」を爆死せしめたことでしょう……

　九条 珠恵

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　女教師。
　シナリオはまぁ、よくある「先生なのに生徒に手を出すわけには……でも……」って感じのシナリオ。
　ところで。
　なぜ眼鏡の立絵があるのに眼鏡でＨシーンがな（以下略）！
　シナリオはクズが一人まぎれこんだけど、なんの問題もなくハッピーエンド。

　香月 日和

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　いつのまにか主人公とくっついてた。それぐらい他のヒロインと比べて、つきあうことになるのが早いヒロイン。
　これからどうなるのかなと思っていたら急展開。主人公をかばって事故に遭う日和。き、君が望む永遠！？
　無事一命をとりとめるものの、主人公に関する記憶を失う。ちょ、超展開！
　これでバイト先の店長（女）が実は主人公のことが好きで、慰める展開に突入したらまさに君が望む永遠状態だがそんなことはなかったぜ！
　とあるクズのクズ弟にかき乱されはしたけど、なんとか記憶を取り戻しハッピーエンド。
　　
　聖 小梅

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　てっきり病弱ネタで切なさ乱れうちかと思っていたら、ここでまさかの陽斗と三角関係。
　小梅とどうこうというより、陽斗と主人公がどうなるかが気になる展開だった。
　まぁ、御多分に洩れず鬱展開になることなく着地しましたが。陽斗……本当に良い奴。

　相田 幸太郎

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　主人公。できすぎな子。良い子すぎて、ヒロインに萌えるかどうかというより、この子にふさわしい嫁探しという感じ。
　
　植村　陽斗

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　主人公の親友。サブキャラのあの娘とのシナリオ見たかったな……。
　その友っぷりは、三角関係になってしまう小梅ルートでも遺憾無く発揮され、小梅の気持ちや、主人公の小梅への想いに気づかなかった陽斗は、主人公に「俺を全力で殴れ」と言う。
　セリヌンティウスかお前は！
　総じて良い奴、良いキャラでした。